ツワノトイロ - TSUWANO TOIRO -
山間の小さな城下町「津和野」
この町に息づく多彩な”色”の物語。
INTRODUCTION
その日きみは、
日常を離れるため、旅にでた。
赤い汽車に乗り
鬱蒼とした森の中をひた走る。
各駅停車はゆっくりと
誰も乗る人がいない駅にさえ停まりながら。
どこか知らない
誰も知らない遠くまで
行ってみたいと思っていた。
とりたてて
日常に不満があるわけでも
嫌なことがあるわけでもない。
ただ無性に、旅に出たくなるときがある。
それはきっときみが
一歩踏み出したいと願うときなんだろう。
いくつものトンネルを抜け
辿り着いたのは
緑の山々に囲まれた小さな城下町。
山々の隙間を縫うように町が在る。
すり鉢のような谷底に
透き通る一筋の川と
陽射しをうけてキラキラ光る
赤茶色の瓦屋根が広がっていた。
この町で暮らす時間のなかで
この旅のなかで
きみは何に気づくだろうか?
一歩踏み出したその先に
何か大切なものを見つけるだろうか?
さぁ、旅のはじまり。